百島っこ育て② ~出産~
シリーズ2回目の今回は出産。
そもそも陣痛って、「これが陣痛だ!」ってわかるのかな...という初産の疑問。
でも分かりました。予定日の翌朝4時頃、あ~これが陣痛かも!という痛みが...ぅう~ついにきたか。でもさすがに午前4時、船もまだない時間(もしもの時は、海上タクシーや救急船もありだけど)。初産だしまだまだだろうなぁ~、せめて船の始発までは家で待とうかね~と思う自分と、最初から10分間隔で襲ってくる陣痛に、これ始発で行って間に合うのかな...と少し不安になる自分と、でももう少し待ってみようと思い、旦那を起こさず一人で耐えていました。
6時前に病院に電話をすると、と~っても穏やか~な優しい声の看護師さんが電話に出られて、そんなに急がなくても大丈夫よ~できれば朝ごはん食べてきてね~なんて言われてちょっと落ち着いた私。でも念のため本土に渡っておこうと思い、さっさとご飯を食べて鶏にエサをあげてバタバタと島を出る朝。港でも船の上でも、会う人会う人「いよいよだね!頑張って!」と声をかけて頂き、ちょっとドキドキ。
旦那と一緒に6:42発のフェリーに乗り、8時頃に尾道の産婦人科に到着。島を出る前や船の上では、陣痛は7分間隔...けっこう焦っていた私も、なぜか船から降りて病院が近づくとまた10分間隔に...え、陣痛ってそういうもんなの!?心の持ちようで変わるわけ?(笑)
ということで、病院の駐車場に着いた時、陣痛も10分間隔に戻り、まだまだ全然耐えられるわ~程度になっており、会話にも余裕が...。
私:「なんかまだまだ全然耐えられるレベルになっちゃった。まだ時間外診療だよね?」
夫:「時間外診療って医療費高いのかな?」
私:「ね~高いかもね~。どっかでモーニングして9時まで待つ?全然待てるよ!」
夫:「ん~でも念のためにもう行ったら?だって駐車場入っちゃってるし。」
と、「時間外診療」にビビる。やっぱり愛知県民だったからかな、私ケチなのかな...笑。
結局そのまま病院に入り、すぐにエコーで赤ちゃんの動きをチェック。「まぁ初産だし、早くても生まれるのは今日の夕方か夜ぐらいですかね~」と言われ、個室で待つ。ここでも「やっぱり9時まで待っても余裕だったね!」なんて言いながら...(*´▽`*)笑。
お部屋は広くてきれいだし、テレビあるし(うちはない)、エアコンあるし(うちはない)、なんて快適なの♡久々にテレビを見たり、旦那は買い出しに行ったり、まだまだ先であろう出産に備えてのんびり構えておりました。
しかし、ここからの展開が早かったのです!
わりとすぐに個室から分娩室の隣のお部屋に移り(ここで昼食を食べる直前に旦那は呼び戻され笑)、助産師さんに「まだまだこれからが長いですよ~、どうしよもないぐらいの痛みになってきたら呼んで下さいね」と言われ、しばし待つことに。普通に笑って会話できるし、友だちにメールもしてたけど、しかしけっこう痛いなぁ...これ本当にまだまだなの?私が痛みに弱いだけか?いやけっこう限界なんですけどぉ~!!と、3分後にはナースコール!(笑)。その時点で、もう歩けない程の痛みで、診察室まで行くのもやっとのこと。「すごく忍耐強いんですね」と言われ、あ、痛みに弱いんじゃなくてよかった...と、ほっとした私 ε-(´∀`*)
そのまま分娩室に移り、旦那は「生まれる時にお呼びしますのでここで待っていてください。」と、隣のお部屋で待っていました。
それから1時間後...
分娩室:「おぎゃ~!!」「おめでとうございます!」「お母さん頑張りましたね~!」「ほら赤ちゃんのお顔見てあげて!」(感動の嵐)
隣の部屋の旦那:「おぎゃー!?」「え?産まれちゃった?」「オレ呼ばれてないけど...」
分娩室:「あ!お父さん!!」「あー!お父さん呼ぶの忘れてた!」(看護師さん走る!笑)
ということで、立ち合い出産ならずでしたが、みんなの必死な声は全部聴こえていたそうです。
そんなこんなで朝8時に病院に着いて、お昼(12:33)に無事に出産を終えました。
初めてのお産は、とにかく「感謝」。
頑張って生まれてきてくれた小さな命に
いつも支えてくれた旦那に
病院の方々に
自分の家族や友人、島の方々に...
その日は、いろいろな想いがぐるぐると頭の中を巡り、なぜかぽろぽろ泣けてしまう夜でした。お産って、何だろう、こんなに感動するものだって知らなかった。新しい命が産まれるって、こんなに尊いことなんですね。
ただただ全てに"ありがとう”。
5日間の病院での日々を終え、いよいよ島へ帰りましょう。色んな意味で帰るのちょっと怖いな...笑。
つづく。